【当院の救急医療⑤】救急車搬送件数等について報告します
当院の救急車搬送件数は10年前の2014年度から4,000件~5,000件の間で推移してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年度は3,018件、2021年度は2,787件となりました。しかし、2022年度は4,438件、2023年度は5,816件となり、近年は搬送件数が順調に増えています。
心肺停止の患者さんの搬送件数も2014件から100件前後で推移してきましたが、その後、新型コロナウイルス感染症の影響もあり少なくなりました。しかし、ここ2年は141件、160件となり、心肺停止のような重症の患者さんの受け入れ件数が増えています。
また、APACHEⅡスコアという方法でICUに入院している患者さんの重症度を算出しました。点数が高いほど重症度が高いことを意味します。重症度が高いと言われる21点以上の患者さんはこれまで20~30%程度で推移してきましたが、2022年には50%以上となっています。このことは、多くの重症患者さんが当院に搬送されていることと、その重症患者さんを救命しているケースが多いことを意味していると考えられます。
ただ、当院への救急搬送受け入れ要請のうち、当院が受け入れた割合を表す応需率については、2022年度は57.0%、2023年度は66.8%となり1年で改善しましたが、受け入れできないケースがあることが課題となっています。また、スタッフが足りない、大部屋の病室が多く病床の管理が難しいなど他にも課題はありますが、今後も工夫を重ねて対応していきます。